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2023.03.17 Event(information) Event(report)

『実践家参画型エンパワメント評価(PBEE)の社会実装を目指すPBEE研究・研修センター主催:第3回PBEE評価セミナー』を開催しました!

2023年3月月11日(土)13時~16時、「『実践家参画型エンパワメント評価(PBEE)の社会実装を目指すPBEE研究・研修センター主催:第3回PBEE評価セミナー』を開催しました。今回のセミナーは『社会課題解決のためのプログラム開発・評価の方法:CD-TEP法を用いたプログラム形成・改善の実際』がテーマです。

今回のセミナーは62名の方から事前申し込みをいただき、30名の方がリアルタイムでご参加されました。セミナー終了後、賛同会員の皆様にはYouTube動画を配信させていただきましたが、2023年3月15日現在、50回のご視聴(再生)をいただいています。

セミナー当日はまず、第1部【総論】『実践家・当事者参画型プログラム開発・評価の方法論とその位置づけ』を大島巌氏(PBEE研究・研修センター代表理事・東北福祉大学)が講義し、その後、第2部【プログラム形成・改善の実際】『生活困窮者の就労支援現場におけるCD-TEP法の活用例』を私、新藤(PBEE研究・研修センター理事・日本社会事業大学)と西岡正次氏(A’ワーク創造館)の二人が講義しました。

実践家参画型評価アプローチの改善ステップは、

  • ①現状分析・ニーズ評価:問題状況とニーズの分析、ターゲット集団とプログラムゴールの設定
  • ②評価可能性アセスメントの実施と予備的効果モデル(暫定版)の作成
  • ③GP事例調査の実施
  • ④質的データ分析と実践家参画型WSの準備
  • ⑤実践家参画型WS:第1次効果モデル(試行版)構築
  • ⑥第1次効果モデル(試行版)の形成・構築・改善:効果モデル5アイテムの作成
  • ⑦広域的事業所調査:第1次効果モデル(試行版)の広域的な検証
  • ⑧広域的試行評価調査①:単一グループデザインで行う多施設共同調査
  • ⑨質的・量的データ分析と実践家等参画型WS準備,効果モデル改定案の作成
  • ⑩実践家参画型WS:第2次効果モデル(提示版)への形成・改善
  • ⑪広域的試行評価調査②:比較による有効性研究(CER)で行う多施設共同調査
  • ⑫第3次効果モデル(エビデンス版)への形成・改善:質的・量的データ分析と実践家等参画型WSによる効果モデル(エビデンス版)への形成・改善

の12ステップで進めていきます。
【出所】大島巌・源由理子・山野則子・他(2019)『実践家参画型エンパワメント評価の理論と方法:CD-TEP法:協働によるEBP効果モデルの構築』日本評論社.

特に第2部の事例発表では、生活困窮者の就労支援を事例に「まずつくってみる(第1~6ステップ)」、「つくったものを改善する(第7~10ステップ)」、「改善したものを(ひとまず)最終確認する(第11~12ステップ)」の流れが紹介されました。最後にはCD-TEP法におけるプログラム形成・改善では、より効果的なプログラムが構築されるよう、科学的・実践的なプロセス評価とアウトカム評価を用いて、効果モデルの継続的な改善を試みること、ここで重要になるのが「実践家との十分な対話」であることが話されました。また同時に、こうした取組みはアクション・リサーチ型の研究で、こうした営みを通して実践家も効果モデルの有効性を確信し、また、実践家それぞれのエンパワメントにも繋がり、効果モデル形成・改善へのモチベーションを高めていく必要があることも話されました。

さらに、こうした形成・改善の営みをこの分野で長く実践をされてきた西岡正次氏(A’ワーク創造館)と協働してきたことが報告され、西岡氏からは生活困窮者の就労支援について説明がありました。生活困窮者の支援制度ができたことで、高齢者、障害者、シングルマザーなどの就労支援を縦割りで行うのではなく、全てを包括して支援を提供することになったこと、こうした背景があるなかで、実践現場は「何をすべきか」に悩むことがあること、今回、効果的援助要素が整理されたことがこうした状況の改善に貢献できるかもしれないことなどが語られました。

セミナーの事後アンケートでも、

  • 概論と具体的な事例とのセットでとても分かりやすかったです。現場実践家が積み上げてきた実践の知を般化できる取り組みの可能性、またTEPのサイクルが循環することによってこれらの知をブラッシュアップできる可能性についても感じ、ワクワクしました。またスーパービジョンにも、これまで正しいと考えられた現存の理論や方法についての検証にも活かせるのではないかと感じました。非常に実りの多い時間でした。
  • 他の方々の質問が自分にとって鋭くて面白かったのが良かったです。新藤先生の話が分かりやすかったです。ロジックモデルは何となく知っていたのですが、CD-TEPについてよくわかっていなかったので知れてよかったです。
  • CD-TEP法の基礎や活用について実際の現場での活かされ方も含めて伺うことができたので、具体的なイメージを持つことができました。また、雰囲気も暖かく、質問等もしやすかったです。
  • 私は実践家なので、これまでのセミナーのお話では、実践の内容そのものの方が気になってしまい、それに対してCD‐TEPをどのように使っているのかにあまり注目できずにいたように思います。今日は研究者と実践家の両側面からお話頂いたことで、評価と実践のつながりや相乗効果をイメージすることができました。

など、たくさんのご感想をいただいています。改めて、皆様の積極的なご参加にお礼を申し上げます。

さて、次年度の本セミナーは、今年度開催した3回の内容(CD-TEP法の基本的な考え方や事例の紹介)を行うとともに、参加する皆様が実際に手を動かし、演習形式で具体的な技術を学んでいく内容を企画しております。今年度のようにまずは「知る」という目標から少し発展させ、「使う(実践する)」というところまで進めてみたいと思っています。次年度も引き続き、皆様の積極的なご参加が得られますことを心より願っております。また次の会でも、皆様にお会いできるのを楽しみにしております。引き続き、よろしくお願い申し上げます!

文責:新藤健太(一般財団法人PBEE研究・研修センター理事)

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