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2025.07.19 Event(information) Event(report)

(2025.7.19)(2025年度輪読会)プログラム評価~対人・コミュニティ援助の質を高めるために~の第4回を開催いたしました。

2025年7月19日(土)、PBEE研究・研修センター主催「プログラム評価の理論と方法」輪読会2025年度の第4回が開催されました。
今年度も安田節之(2011)『プログラム評価~対人・コミュニティ援助の質を高めるために』を全9回で読み進めています。

第4回の範囲は、《第2部》(2-4)「リソースアセスメント」から(2-5)「プログラム・プランニング」」まで。報告は、JANPIA(日本民間公益活動連携機構)でプログラムオフィサーを務める根尾氏にご担当いただきました。

まず「リソースアセスメント」では、ニーズを直接・間接的に補う自然発生的な資源(家族や友人のサポート、地域のつながり、自助努力など)を事前に把握する重要性が示されました。本書では、ニーズとリソースを対比し、

ニーズ−個人や組織のリソース=プログラム介入の必要性

という考え方が提示されています。この式については、「資源があっても活用できなければ意味がない」という観点から、アマルティア・センのケイパビリティ概念を踏まえた補足があり、資源の存在だけでなく利用可能性や活用能力も含めて評価すべきとの意見が出されました。さらに、地域コミュニティ・組織・家族友人・個人という4つのレベルから資源を体系的に把握するエコロジカルな視点や、「近所付き合い」と「ソーシャルキャピタル」の分類の曖昧さについても議論されました。

続く「プログラム・プランニング」では、活動方針(ミッション)、プログラムゴール、目標(オブジェクティブ)の関係性と設定方法が整理されました。活動方針はプログラムの存在意義や方向性を示すものであり、活動が目的から逸脱しないための基盤となります。プログラムゴールは活動方針に基づき目指す方向を提示するもので、必ずしも達成可能性や測定可能性に縛られる必要はありませんが、実施者への過剰なプレッシャーにならないよう工夫が必要とされます。目標はさらに具体化され、利用者の視点での変化を行動レベルで描写することが推奨されました。ただし、行動変容だけでなく感情や意欲など内的変化の扱い、また環境の変化に焦点を置くべきか否かについては、多様な意見が出されました。

議論では、

  • 「制度の谷間」にある人々へのアプローチにおけるリソース把握の重要性
  • ゴール・目標・活動方針・ビジョン・ミッションといった用語の整理と相互関係
  • 数値目標と質的目標のバランス
  • 環境変化と個人変化のどちらに重点を置くべきか

などが活発に交わされました。特に、環境調整は重要である一方、最終的には利用者本人の安心や充実につながる変化を見据えるべきとの意見が共有されました。

次回第5回は8月30日(土)、範囲は《第2部》(2-6)「プログラム・インプットの特定」~(2-7)「プログラム・プロセス評価の設計」を予定しています。
「(2025年度輪読会)プログラム評価~対人・コミュニティ援助の質を高めるために~」について、ご関心のある方はどの時期からでもご参加いただくことが可能ですので、是非ご参加ください!その際はこちらのPeatixサイトから参加のお申込みをお願いします。
賛同会員の皆様には輪読会の動画配信サービスも行いますので、宜しければこちらから賛同会員にお申込みいただき、本輪読会には「賛同会員」として参加していただけましたら幸いです。

文責:新藤健太(PBEE研究・研修センター・業務執行理事)

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