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2025.06.28 Event(information) Event(report)

(2025.6.28)(2025年度輪読会)プログラム評価~対人・コミュニティ援助の質を高めるために~の第3回を開催いたしました。

2025年6月28日(土)、PBEE研究・研修センター主催「プログラム評価の理論と方法」輪読会2025年度の第3回が開催されました。
今回の範囲は、《第2部》(2-1)「プログラムの実施背景」から(2-3)「ニーズアセスメント」まで。報告は日本社会事業大学大学院 博士前期課程1年の高木氏にご担当いただきました。

まず「プログラムの実施背景」では、プログラムが必要とされる背景を3つに分類できることが示されました。
1つ目は問題解決で、個人や地域が抱える課題に介入し解決を目指すものです。問題は社会的文脈に埋め込まれている場合が多く、その定義や広がりを明らかにした上で原因を把握し、必要な介入の内容や規模を検討します。
2つ目は予防と促進で、一次予防・二次予防・三次予防の整理が紹介されました。まだ発生していない問題への介入は必要性を説明することが難しい場合がありますが、生活習慣病や児童虐待など、既に社会課題として認知されているテーマでは対象者にも受け入れられやすい側面があります。
3つ目は教育と訓練で、心理教育や研修、ワークショップなど、主体的な学びを通じて技能や理解を高める取り組みが含まれます。教育機関内外で行われ、現実に即した内容と参加者の主体性が重視されます。

続く「プログラムニーズ」では、「なくてはならないにも関わらず足りていない状態」を改善するために必要なプログラムやサービスがプログラムニーズであると整理されました。ブラッドショーによる4つの分類(規範的ニーズ、比較ニーズ、感覚的ニーズ、明示ニーズ)が紹介され、それぞれの定義や把握方法、課題が議論されました。特に感覚的ニーズの捉え方や、明示ニーズを需要と供給のバランスで定義することの妥当性について活発な意見交換がありました。また、ビジネス領域における「ニーズの掘り起こし」と社会プログラム領域のニーズとの違いも話題となり、社会プログラムではゼロから需要を作るのではなく、既存の社会課題や潜在的ニーズを明らかにし、優先順位を付けることの重要性が確認されました。

「ニーズアセスメント」では、ニーズとその背景にある問題を体系的に調査・査定する方法として、社会指標法、フィールド調査、コミュニティフォーラム、キーインフォーマントへのヒアリングの4種類が紹介されました。収集した全てのニーズをプログラムに反映することは現実的でないため、現実的に改善・解決可能な範囲を見極め、優先順位を付けることが必要であるとされました。テキストにあった「期待される介入の形から逆算してニーズ反映を探る」という記述については、ニーズ起点ではなく介入起点で設計することの是非や、現実的制約との関係について議論が交わされました。

今回の輪読会では、ニーズ評価の重要性を改めて確認するとともに、潜在的なニーズを社会課題として可視化するための方法や、限られた資源の中での優先順位付けの視点が共有されました。

次回(第4回)は7月26日(土)、範囲は《第2部》(2-4)「理論的根拠(プログラム理論)」です。「(2025年度輪読会)プログラム評価~対人・コミュニティ援助の質を高めるために~」について、ご関心のある方はどの時期からでもご参加いただくことが可能ですので、是非ご参加ください!その際はこちらのPeatixサイトから参加のお申込みをお願いします。
賛同会員の皆様には輪読会の動画配信サービスも行いますので、宜しければこちらから賛同会員にお申込みいただき、本輪読会には「賛同会員」として参加していただけましたら幸いです。

文責:新藤健太(PBEE研究・研修センター・業務執行理事)

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