(2025.5.31)(2025年度輪読会)プログラム評価~対人・コミュニティ援助の質を高めるために~の第2回を開催いたしました。
2025年5月31日(土)、PBEE研究・研修センター主催「プログラム評価の理論と方法」輪読会2025年度の第2回が開催されました。
今回の範囲は、《第1部》(1-4)「評価目的」から(1-5)「評価者」まで。報告は札野寛子氏にご担当いただきました。
まず「評価目的」では、著者が挙げる4つの視点について確認しました。
1つ目はアカウンタビリティのための評価で、ステークホルダー(資源提供者)に対し、投入資源の使途や成果を説明する責任があることが示されました。米国の「政府業績成果法(GPRA)」や日本の「政策評価法」など、説明責任を制度的に求める動きも紹介されました。
2つ目はプログラムの改善・質向上のための評価で、実践を客観視し、効果の特殊性、利用者満足、実施環境、意図しない効果など多面的に振り返る重要性が述べられました。
3つ目は価値判断のための評価で、スクリヴェンの定義を踏まえ、個別利用者への効果(メリット)とプログラム全体の社会的価値を分けて考え、妥当性・有効性・効率性・持続可能性の4側面から総合的に判断する視点が示されました。
4つ目は評価研究のための評価で、評価活動を通じた理論や方法論の構築、実践と評価の有機的関係の探究など、学際的な研究活動としての評価の位置づけが説明されました。
続く「評価者」では、評価者に求められる役割や資質が整理されました。評価者は理論家と実践家の間でバランスをとり、混沌とした現場での計画変更や予期せぬ事態にも対応できる柔軟性が必要とされます。評価目的ごとに、査定役(アカウンタビリティ)、コンサルタント役(改善・質向上)、裁判官役(価値判断・意思決定)、研究者役(評価研究)といった役割が想定され、それぞれに必要なスキルが挙げられました。さらに、スクリヴェンが示す10項目のコンピテンス(方法論、一般化可能性、倫理、コスト分析、ニーズ調査など)も紹介されました。
当日の議論では、アカウンタビリティの優先度が現場とマネジメント層で異なる理由や、「価値を付与する」という表現の是非、社会的価値の定義とメリットとの関係、妥当性を最上位とする評価統合の考え方など、多くの論点が交わされました。また、評価を担うのは管理職層だけでよいのか、現場職員もプログラム全体の目的や自らの役割を理解して評価に関与すべきではないかという問題提起もありました。
次回(第3回)は6月28日(土)、範囲は《第2部》(2-1)「プログラムの実施背景」~(2-3)「ニーズアセスメント」です。「(2025年度輪読会)プログラム評価~対人・コミュニティ援助の質を高めるために~」について、ご関心のある方はどの時期からでもご参加いただくことが可能ですので、是非ご参加ください!その際はこちらのPeatixサイトから参加のお申込みをお願いします。
賛同会員の皆様には輪読会の動画配信サービスも行いますので、宜しければこちらから賛同会員にお申込みいただき、本輪読会には「賛同会員」として参加していただけましたら幸いです。
文責:新藤健太(PBEE研究・研修センター・業務執行理事)


