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2024.06.07 Event(report)

第19回定例研究会が開催されました。

5月24日(金)19時より第19回定例研究会が開催されました。報告者は明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授で当法人理事の源由理子氏で、テーマは「地域社会における戦略体系図型ロジックモデルの活用とその影響~ECBと組織風土の変容に焦点を当てて~」でした。

今回の研究会では、様々なロジックモデルがある中でも、特に戦略体系図型ロジックモデルを活用することの有用性について報告がなされました。明治大学名誉教授で、当法人アドバイザリーボード委員の北大路信郷氏や東洋大学教授で当法人評議員の米原あき氏との共同研究の成果として、同ロジックモデルを行政評価に活用した兵庫県豊岡市の事例が検討されました。豊岡市の事例分析の結果、評価に関わる関係者と関係組織のECB(Evaluation Capacity Building)が向上し、組織風土の変容がもたらされることが報告されました。
豊岡市の行政評価事例においては、戦略体系図型ロジックモデルを活用した形成的評価によって継続的な施策の見直しが行われています。その背景には関係者間の対話(評価ワークショップ)を通した関係性の構築と、暗黙知の表出化をとおした新たな知識創造が行われており、それらは、関係者の「評価的思考(Evaluative Thinking)」と組織における「創発的マネジメント」を可能にし、ECBと組織風土の変容につながっていることが報告されました。指定発言者は当法人理事の新藤健太氏で、他のロジックモデルとの効果の違いやワークショップ参加メンバーの熱量の差への対応、戦略体系図型ロジックモデル作成後のセオリー評価に関する質問がありました。また、北大路教授からも、行政と地域の関係者間での戦略体系図型ロジックモデルの活用によるECBへの貢献に関するご意見をいただきました。全体を通してご参加いただいた多くの方から活発なコメントとご質問をいただき、大変充実した議論が行われました。誠にありがとうございました。

文責:入江名未(PBEE研究・研修センター事務局)

 

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